タイルクリップ工法について
タイルにタイルクリップを取り付けた状態
配筋完了の状況
概要
タイルクリップ工法は、タイルの裏面にタイルクリップ(落下防止金物:ステンレス製)を取り付け、PC製作時にコンクリートと一緒に打ち込む工法である。タイルクリップは爪がタイル裏面のスリットに食い込んでいるため、万が一コンクリート面からタイルが剥離しても落下しない。またタイルクリップの高さを30㎜に設定しているため、コンクリート打設中に鉄筋が下がっても、タイルクリップに当たることで安全にかぶり厚を確保できる。タイル裏面スリット部分へのタイルクリップの取り付けも簡単で手間もかからず、従来の金物に比べ大変安価である。
開発の背景
PC版にタイル打込工法が普及していく中、外壁タイルの剥離事故が近年大きな問題となっている。建築基準法改正に伴い国土交通省の定期報告制度の見直しがあり、タイルの剥落防止対策が重要視されてきた。PC版に直に打ち込まれたタイルは全て対象となり、竣工後10年で全面打診検査を行い特定行政庁へ報告する義務が生じている。その指導内容の中では、タイルが金属金物によってコンクリート躯体と緊結されている乾式工法(落下防止対策)の場合には、目視点検で報告できることとなっている。以上の対策として、同社では手軽にPC版タイル打込み用落下防止対策ができる金物を開発した。
タイルクリップの形状
特長
- 1.安全
- タイルクリップを取り付けることで、さまざまな状況により万が一PC版に打ち込まれたタイルが剥離した場合でも落下しない。
- 2.簡単
- タイルクリップ自体が簡素で、誰でも容易に取り付けることができる。
- 3.安価
- 徹底した研究により、低価格での供給が可能になった。乾式工法により、LCCの低減にも寄与する。
- 4.確実
- コンクリート打設時に、万が一鉄筋がタイルの裏面に近付いても、タイルクリップがスペーサー代わりとなり、コンクリートの被り厚を適正に確保できる。またコーナー版など立ち上がりがある場合でも、タイルクリップに付いている爪がしっかり支え、コンクリート打設時もタイルクリップは固定されている。
PC版タイル打込落下防止工法
*特許 第5721589号 コンクリートブロック
*特許 第5801654号 タイル剥落防止具
*協同開発:株式会社サムシング・ファイン